小娘が夢中になる世界

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小娘が夢中になる世界

映画、演劇、漫画、お笑いと諸々

朝10時に『七人の侍』を観てきた話①

自分が好きなものをツイッターでは語りつくせなくなってきたので、不定期に主に映画、演劇、漫画、本、お笑いの感想などなどを書いていこうと思います。

 

頭悪いからすぐ忘れちゃうし日記は続かないし。

 日曜日に観に行ってきた『七人の侍』の映画館上映について

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「七人の侍」上映作品詳細 - 午前十時の映画祭7 デジタルで甦る永遠の名作

10月の頭からやっていたらしいけど(しかもその頃は新宿上映もあった)、全く知らずにのうのうと暮らしてました( ;∀;)

私が黒澤オタクであることを思い出した先輩が教えてくれまして、わざわざ朝も早よから立川まで行ってきました~。

 

JKからお年寄りまで幅広い観客層で、入りもすごくよかったですね。

 

この企画の良いところは朝10時からの上映ってことで、七人の侍を溺愛するド変態しかいない!(笑)

私の隣に座っていた老夫婦は「黒澤映画のこのときの録音技師は~」みたいな話をしていて、そりゃもうぶったまげた。録音技師て!

にしてもおじいちゃんが子供みたいにワクワクしながら映画が始まるのを待つっていうのはいいものだなぁとしみじみ。

 

ざっくりしたあらすじ

七人の侍は、

百姓たちが、『村に野武士が来て暴れまわる、生きていくためにはどうしたらいいんだー!』と嘆いているシーンから始まり、

『そうだ、侍を雇おう』

と話がまとまり、町に出て腕の立つ武士を探し始める。

 

でももちろん百姓に侍を雇う金なんてないし、百姓に雇われるなんて武士にとっては不名誉極まりないこと。

なかなか見つからず諦めかけていたところに

偶然1人の浪人・勘兵衛志村喬に出会い、「七人侍が居れば野武士に太刀打ちできる」と仲間を集めていく…

 

とまあ前半は、侍集めや、百姓と武士の関係など身分の差を印象付けるやり取りが多いですね。

その「差」が、百姓が侍を雇うことで複雑化し、最終的に共に戦に向かうという目的と、精神的なつながりのみが浮き彫りになっていく、というわけですねー。

 

ここから先は長くなりそうな予感がするので、やむを得ず3人のオジサマに絞ることにしました…

 

勘兵衛(志村喬

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侍たちのリーダー。

盗人が子供を人質に立てこもっている現場にたまたま出くわし、その場で髪を剃って僧のふりをして盗人に近づき子供を助ける。

 

その現場を見た侍の勝四郎(木村功)と菊千代(三船敏郎)、そして百姓たちは

「ぜひ弟子に」「村を助けてくれ」とそれぞれ勘兵衛の後を着いて行くようになる…f:id:akarenjaikui:20161027175807j:plain

 

勘兵衛はとにかく、欠点がない!!

いや、浪人であること、

一国一城の主という侍としての夢を諦めた半ば落伍者であること、

敗戦を繰り返しおそらく大きな傷を受けているであろうことなど、

見方によれば欠点になり得る外的要素は多いけど、性格的な難が全くないです。

 

そして、特にこの作品間で成長しているとかでもない(笑)

勘兵衛は出来上がってるんですよね。

温和で、強くて、最初から最後まで武士の生き方を貫いている人

見てくれなんか関係なくて、魂が武士なら見た目は坊さんでもいいんだよ!

それが武士なんだよ!!!

きっとね!!!!

  

ダブル主演ということで菊千代との対比というところが一番だけど、観ている側が勘兵衛の視点になることによって、百姓たちの自由さや勝手さに振り回されることができるというのは大きいですよね。

 

勘兵衛の戦い方は無駄がなく、理にかなってる。

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この弓をひく背中が!!!

涙が出るほどカッコイイと思うのは!!!

雨と泥にまみれて馬に踏まれそうになりながらも、命がけで地面這いつくばってなんとか切っ先を相手に向けてやりたいと刀をガムシャラに振り回す男たち、

この混沌の中で一人動じず、

なんの迷いもなく、

そして一寸の無駄な動きもなく

確実に敵に矢尻を向けることができる勘兵衛の「これまでの生き方」にグッと胸を抉られるから。

 

 志村喬

私が最初に黒澤映画を観たのが「七人の侍」だったのだけど、

その後私が黒澤映画を漁るようになったのは、志村喬を追っかけていたというのが主な理由。

 

「寅さん」も志村喬を観るためだけに観始めた作品。(怒られる)

 

「生きる」もとても好きでブランコのシーンはそこだけ見ても涙が出るけど、きっとこの映画はもっと年を取ったらもっと面白く観られるんだろうな…

 

志村喬出演の私的おすすめは「日本のいちばん長い日」の下村情報局総裁。

この映画は最近リメイクされましたね~。

初めて見た時、会見シーンでの志村喬の長尺のズームは、無言で、しかも画にほとんど動きがないのに、こんなにも目が離せなくなるのかと、鳥肌が止まりませんでした。

ガタガタガタガタ

 

もちろん三船敏郎切腹シーンもタマリマセン。

くうううううう

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オリジナルとリメイク版の大きな違いはやっぱり昭和天皇が出るか出ないかでしょうね。

岡本喜八版は、かつて現人神であった昭和天皇を人間として描くことはまだ難しく、胴体だけしか映されていませんでした。

映画で昭和天皇を描くことは、まあ長いことタブーとされていて、初めてきちんと描かれたのが2005年「太陽」という映画。

ホントに最近のことなのよね。

 

菊千代(三船敏郎

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 この流れで菊千代。

突然現れフラフラついてきて、楽しい時は奇声を上げ、怒ってる時は地団駄を踏み、感情の赴くままに生きる謎の多い侍。

まさに野生児。

 

ドラマ「JIN-仁ー」の内野聖陽演じる「坂本龍馬」とちょっと似てる。

ビジュアルとか、大らかすぎる性格とか。

菊千代の方がしっちゃかめっちゃかだけどね(笑)

 

菊千代はセリフなんだかアドリブなんだか分からない、フラフラとした言動が終始続いていて、とてもお芝居をしているように見えない。

 

三船敏郎は黒澤監督に芝居の中で立ちションすることを提案したりしていたそうだから、アドリブもかなり多いのかな。

 

良い意味でも悪い意味でもまっすぐなところは、私達全員幼少期に通ってきた姿を見ているようで、

変人のように一見みえるけど共感できるところがものすごく多いです。 

 

勘兵衛も文句なしのヒーローだけど、やっぱり人の未熟だったり普段しまってる汚いものだったりに共感しやすいので、

そういう意味ではまさにW主役、どちらの立場にも身を置けると思うのですね〜

 

ちなみに菊千代の自由な振る舞いがアダとなり、DVDで見るとギャンギャン騒いでいるところが何を言ってるかわからなかったり

逆にオフで百姓に絡んでる台詞はボソボソし過ぎて分からなかったりと、

冒頭の百姓たちの会話に次いで、台詞が不明瞭なところが多かったんじゃないかなと思います。

 

それが4Kで!

かなり改善されていまして!

ああこここんなこと言ってたんだと!

ほんとにどこのどなたか存じませんが頑張ってくれた方本当にありがとうございました!!!

 

 

そんなこんなで、客観視できる部分とヨダレを垂らす勢いで食い入って観る部分と、

今までDVDでしか七人の侍を見たことのなかったゆとりとしてはもう最高に贅沢で発見の連続でしたん。

 

次は久蔵と、戦のシーンについて書くよてい。