小娘が夢中になる世界

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小娘が夢中になる世界

映画、演劇、漫画、お笑いと諸々

朝10時に『七人の侍』を観てきた話②

映画

 

こんばんは。眠れないのでつらつらと

今回は前回に続いて、久蔵と戦のシーンについて書いていきます~

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久蔵(宮口精二

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おそらく『七人の侍』の中で、勘兵衛・菊千代コンビの次に人気のあるキャラクター。

 

映画館のロビーにこんな登場人物紹介が掲載されていたのですが、

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休憩中にJKたちが久蔵を指さしながら「この人マァジかっこいいわぁ~」と話していて、異文化交流でも見ているような気分になりました。笑

 

『久蔵―兵法の鬼―エゴイスト―典型的な侍(極端な侍)―非人間的な程』

黒澤明七人の侍」創作ノートより)

 

この設定の通り、寡黙でひたすら剣術にうちこみ、

菊千代が「女いねぇかな~」と嘆くときにも山に剣術の訓練に行くような男。

「極端」「非人間的なほど」という表現はかなりしっくりきます。

ルパンの石川五右エ門は久蔵がモデルになっていると言われてますね。

凄腕の無口で堅物な剣客。でも根はとても優しい。

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久蔵は一番刀を使うシーンがクローズアップされている役ですね。

この人がいることによって、この集団が侍であるということにグッと説得力が増していると思います。

もちろん他のメンバーも戦のシーンや色々な局面で刀は扱うわけだけど、その中でも特に「武力」を象徴しているところが大きい。

 

もちろん生の侍を知ってるわけではないし

殺陣もろくにやったことないけれども、

「何かの漫画かな?」と思うくらいの型の異様な綺麗さや、

刀を抜くスピードの異様な速さ、

精錬されている様は、

ああ、きっと侍ってこんな風に自分を追い込み鍛錬して、刀を自由に扱っていたんだろうなと、

むしろそうであってほしいな、と願ってしまうほどの説得力。

 

言葉でいくら「強い」「良い侍だ」と表現されても、百聞は一見に如かず。

侍を体現して観客に納得させる役割を持つ久蔵は、侍を観たくてたまらない観客たちに愛されないわけがないんですね!!

 

セリフにも出てくるのですが、久蔵は強いのにおごらない。

そしてたまーに見せる人間臭い言動が、普段あまり感情を表に出さない久蔵だからこそたまらない!

なにより戦うこと、自分を高めること、そして生きることにのみこだわる姿はやっぱりめちゃくちゃカッコイイすわぁ~~~~!!!

 

ウィキペディアの『七人の侍』項目を見るとこの作品がトルストイの『戦争と平和』の影響を受けているとありますが、

久蔵にはそれが顕著に出ていて、勝四郎の「あなたは素晴らしい人です」云々のあたりはまさにそう。

観客の久蔵に対する尊敬がパンパンに膨らみ、勝四郎に母性をくすぐられまくる名シーンです。笑

 

宮口精二という人

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久蔵の刀さばきの凄さについて書いたわけですが、

そんな剣豪を演じた宮口精二はさぞ時代劇で活躍したんだろうと思いきや!

実は侍役を全くやったことがなく、刀も振れず、馬にも乗れず、

「とてもこんな役は出来ません。」

と一度断っているんですねぇぇ!!!

もうほんとビックリ。

元々体もあまり丈夫ではなかったらしく、刀の持ち方も知らないからと剣術を習いに行ったら神経痛を起こしてしまったと…笑

 

そんな宮口精二が剣豪の役になってしまったわけですが、散々述べているように、これまで刀を握ったこともないなんて全く信じられない!

宮口精二が侍じゃないなんて信じたくない!という名演技!!!

宮口精二が久蔵という高い壁に臨む姿が、久蔵が剣の道にのめり込む姿とビターッ!と重なった、黒澤監督の神キャスティングってことなんでしょうね。

 

その後、宮口精二は久蔵について「こんな良い役は二度とこない」と語ってます。

いや、ほんとに、ねぇ…。

 

野武士との決戦

4Kで修正された志乃の肌のつややかさがたまらん!とか、

勝四郎の童○感を大画面で観てちょっとこっぱずかしい!(笑)とか、

利吉の奥さんのエピソードだけで一本映画が出来そうなくらいの鬼気迫る演技とか、

もう色んなことを書こうとすると本当にキリがないので、決戦シーンについて。

 

いやあ、もう最大の見どころですね。

野武士襲来から観客は無意識に姿勢を正し。

私は雨が降ってきたあたりから涙止まらず……

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なんで泣いてるか分からないんですよ。

展開を知っているからなのか、迫力に圧倒されているのか、登場人物たちに感情移入しているのか、あのシーンを作った現場を想像しているのか、

色々ぐるぐる回ってはいるもののもう理屈では考えられなくて、

とにかくあの壮大な映像の前で、ちっぽけな私は泣くことしかできないのです。

よく分からないけど、半端ない高揚感と幸福感だけはぞくぞく感じてる。

 

狭い村を容赦なく駆け回る馬!

土砂降りの雨!

否応なしに足にまとわりつく泥!泥!泥!

ただの百姓たちが誰一人逃げもせず野武士だけを見ているさま、

悲鳴を上げながら鎌を持って野武士に突進する女たち、

勘兵衛のまなざし、

久蔵の走ってる姿、

菊千代の固く刀を握った拳…

 

もう全部がたまらないんです。

一秒でも見落としたくないんだけど、勢いが凄すぎて観ているほうも必死で喰らいついていく。

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本当に!

あれでよく人が死なないなと!!

こんなに命かけるのかと!!!

一瞬でも役じゃなく素の自分に戻ったら、少しでも演技に迷いが出たら、その瞬間本当に死ぬんだろうなという、まさに戦場。

 

ちなみに初見だった一緒に行った友人は観終わった後、

「なんかガチで馬にタックル喰らってる人いなかった?」

とぶったまげてましたが、そんな人だらけでどの人のことを言っているのか分かりませんでした(笑)

それくらいみんなズタボロ。

 

youtu.be

 これの2分過ぎくらいから、合戦シーンクライマックスがちょこっと観られます。

 

土屋嘉男(利吉役)は「今思えば、あの時のオープンセットは、泥と共に、一同のアドレナリンが飛び交っていたように思える。一日の撮影が終わるごとに、皆一様に、『戦い終わり日が暮れて・・・』を実感した」と振り返っている。皆撮影が終わると、撮影所で風呂に入り、家でまた風呂に入ったが、泥がなかなか落ちなかった。

三船敏郎は「尻についた泥がどうしても落ちない」と毎朝顔を合わせる度に吠えていたという。

wikipediaより)

 尻についた泥が落ちなくて吠える三船敏郎みてえええ!面白すぎる(笑)

 

 次の動画は七人の侍ではないのですが、「乱」の落馬シーンの撮影風景。

映画の製作行程を全く知らないので、初めてみたときは

「ほおおおおおお!!!!」

と大感動でした。

なるほどなぁー…


『七人の侍』落馬シーントリック撮影を『乱』でも使った③三十騎の会

 

4Kさまさま

 今回映画館で見て、

映像も音もすごく綺麗で観ている最中ずっと幸せを噛みしめていたのですが、

やっぱり合戦シーンをフルスクリーンを観られたのは良かったですねぇぇぇ…

 

きっと私が気づかない間に過去何回もやっていたんでしょうが、

今回ちゃんと逃さず観られて本当に良かったです(:_;)

 

 このブログを読んでくれているかもしれない知人たちが未見の人が多いため、ネタバレにならないように書いてみましたが、

そのうち結末などの感じ方も含め、もう少し具体的に書きたいと思います。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。

最後の最後に。

 

志村喬かっこいい

志村喬かっこいい

志村喬カッコイイ

ああああああああああああああああああああああああああああ